【ライダー必見!】あなたのヘルメット、実は「寿命」があることをご存知ですか?
Sep 17, 2025
はじめに
バイクに乗る際、自分の命を守る上で最も重要な装備は何でしょうか?
ほとんどのライダーが「ヘルメット」と即答するはず。誰もがその重要性を認識しており、着用が法律で義務付けられているヘルメットですが、実は「いつまでも安全に使えるわけではない」ことをご存知ですか?
ヘルメットには「使用期限」、いわば「寿命」が存在するのです。今回は、意外と知られていないヘルメットの寿命について、分かりやすく解説いたします。
なぜヘルメットに「寿命」があるのか?
「見た目は頑丈そうだし、そう簡単に寿命なんて来ないのでは?」と感じるかもしれません。
確かに、ヘルメットはとても頑丈に見えますし、簡単に壊れるものではありません。しかし、ヘルメットの帽体(外側の硬い部分)は主にFRP(繊維強化プラスチック)やABSなどの樹脂素材、そして内部の衝撃吸収ライナーは発泡スチロールが主な素材です。これらの素材は、日光に含まれる紫外線、雨風、汗、排気ガス、そして気温や湿気など、目に見えないさまざまな要因によって、日々少しずつですが劣化が進んでいきます。
例えるなら、ゴム製品が屋外で時間とともに硬くなり、色あせたり、ひび割れたりするのと同じ現象です。素材が劣化すると、ヘルメットが本来持つべき衝撃吸収性能が低下してしまう可能性があります。これは、万が一の事故の際に、頭部を十分に保護できないかもしれない、という命に関わる重大な問題につながるのです。
ヘルメットの寿命、具体的な目安は?
ヘルメットメーカーによって推奨される使用期限は多少異なりますが、一般的には以下のいずれかが目安とされています。
使用開始から3年
製造年月から5年
この2つの期間について、もう少し詳しくご紹介いたします。
使用開始から3年
ヘルメットを実際に使い始めてからの期間です。日々、紫外線や汗、走行中の風雨などにさらされることで、ヘルメットは徐々に劣化します。
また、日本国内で販売される多くのヘルメットにはSGマークが付いており、この賠償制度の有効期限は「購入後3年間」と定められています。これが一つの目安となります。
製造年月から5年
ヘルメットが工場で製造されてからの期間です。たとえ未使用であっても、ヘルメットは製造された瞬間から、素材の経年劣化が始まります。長期間在庫されていたヘルメットは、購入した時点ですでに劣化が進んでいる可能性があるため、製造年月も重要な指標となります。
ヘルメットの製造年月は、多くの場合、内装の奥に貼られているラベルで確認できます。ぜひ一度、ご自身のヘルメットの製造年月をチェックしてみてください。
使用期限を過ぎたヘルメットの危険性
「見た目は何も問題なさそうだし、まだ使えるのでは?」
そう思う気持ちは、よくわかります。しかし、たとえ外観に変化が見られなくても、ヘルメット内部の衝撃吸収ライナーは劣化している可能性が高いのです。
使用期限を過ぎたヘルメットには、以下のような潜在的なリスクがあります。
衝撃吸収性能の低下
転倒や衝突の際、衝撃を十分に吸収・分散できず、頭部へ重大なダメージが及ぶ可能性があります。
帽体の強度低下
表面からは見えなくても、素材の劣化により内部で微細な亀裂が生じている場合があります。衝撃を受けた際に、本来の強度を発揮できず、帽体が割れたり破損したりする危険性が高まります。
内装(インナー)の劣化
クッション性が失われ、フィット感が悪くなります。これにより、ヘルメットと頭の間に隙間ができ、事故の際にヘルメットがずれたり脱げたりして、保護性能が著しく低下する原因となり得ます。
ヘルメットの寿命を少しでも延ばすために
大切なヘルメットをできるだけ良い状態で長く安全に使い続けるためには、以下の点に注意する必要があります。
直射日光を避けて保管する
紫外線は劣化の大きな原因です。保管時は、ヘルメットバッグに入れるなどして、日陰で風通しの良い場所に置きましょう。
高温多湿な場所を避ける
車のトランクや、夏場の密閉されたガレージ等で保管するのは避けましょう。
丁寧に扱う
ヘルメットを落としたり、ミラーにかけたり、硬いものにぶつけたりすると、目に見えない内部ダメージにつながる可能性があります。床や棚に置く際は、安定した場所に静かに置きましょう。
内装を清潔に保つ
汗や皮脂は素材の劣化を招きます。多くのヘルメットは内装を取り外して洗濯可能です。定期的にケアし、清潔に保ちましょう。
【最重要】一度でも衝撃を受けたヘルメットは必ず買い替える!
転倒などで一度でもヘルメットに衝撃が加わった場合、たとえ外観に傷や損傷が見られなくても、内部の衝撃吸収ライナーは潰れてしまい、その性能を失っている可能性が非常に高いです。 衝撃吸収ライナーは一度潰れると元には戻りません。
「もったいない」と感じるかもしれませんが、衝撃を受けたヘルメットは、すでに安全装備としての役割を果たせなくなっています。 万一の際に頭部を保護できなくなる恐れがありますので、必ず新しいヘルメットに買い替えてください。
最後に
ヘルメットは、あなたのバイクライフを守る「最後の砦」です。決して安価なものではありませんが、命や健康には代えがたい、ライダーにとって重要な投資です。
この記事を読んで、「自分のヘルメットは大丈夫だろうか?」と思われた方は、ぜひこの機会に、お手持ちのヘルメットの製造年月や使用状況をご確認ください。
もし使用期限が近づいている、あるいは既に過ぎているヘルメットをお使いの場合は、ご自身の安全のためにも、新しいヘルメットへの買い替えをご検討ください。