バイク用グローブをぶった斬ってみた!
Dec 28, 2022
ウインターグローブの「内部構造」について、ちょっとお勉強してみよう
「真冬に大活躍するウインターグローブだけど、そもそもどうして暖かいの?」
そんな素朴なQuestionにAnswerする今回のidealブログは特殊技術を使って断面カットした冬用グローブを“真横”から詳しく解説します!
中身に注目すると、グローブへの愛はもっと深まる
今回はバイク用グローブの中身について、少しだけお勉強しちゃおうぜ! という回です。
ライディンググローブを購入する際、みなさんはまず素材(化繊/レザー/ヒート系)やバイクの種類を含めた用途(街乗り/ツーリング/コンペティション/雨天)を先行させて選びをスタートさせることでしょう。そして次に、デザインやカラーリング、プロテクター類などの見た目の好みで絞り込んでいくはずです。
そんな選びのキーポイントにもうひとつ、「内部構造」を加えてみませんか?
求められる機能がとくに多い冬用グローブの場合、グローブにあらかじめ仕込まれている機能(ハイテク生地や高機能フィルム)などによってライダーが欲している「保温力」や「握りやすさ」、「耐候性」、「耐衝撃性」のレベルが変わってきます。
はたしてどんな構造になっているのか?
さっそく分解してみましょう!
まるで“十二ひとえ”なウインターグローブはこんなに複雑!
今回、内部構造を知るために用いるのはidealブランド・冬のアイテム「ID-115 アクシスEX」です。リーズナブルなプライスにもかかわらず「これでもか!」の勢いで作り込まれた高機能ウインターグローブはこのような精密さで設計されています。
<甲側>
01 インナーボア
空気の層を作るマイクロフリース素材のボアが保温力を高め、また温感のフィーリングも向上。アクシス2の場合、指先までレイアウトされています。
02 中綿
高い断熱性とともに、温まった空気を内部に蓄えることでグローブ内の温度をキープします。
03 フィルム
優れた透湿・防水・防風性能によって雨風の侵入を防ぎ、防寒対策をより確かなものにします。
04 クッション素材
可動部分にシャーリング加工されたクッションをレイアウト。フローティング構造を機能させるとともに、操作性を犠牲にすることなく耐衝撃性も確保します。
05 アウター生地
耐摩耗性に優れたタフな化学繊維を用いてグローブ本体のフォルムを守ります。
06 クッション素材
転倒時によるインパクトや擦過をソフトなクッション材で柔軟に吸収し、外傷から手からを守ります。
07 ナックルプロテクター
転倒時の主に第一インパクトをラバー製のハード素材によって吸収し、外傷から手からを守ります。
<手のひら側>
01 インナー生地
直接に手指に触れることを考慮し、吸放湿性に優れる肌触りの良いベンベルグ社製の生地をインナーに使用します。
02 フィルム
甲側のみならず手のひら側にもフィルムをレイアウト。雨風の侵入を防ぎ、防寒対策をより確かなものにします。
03 アウター生地
耐摩耗性に優れたタフな化学繊維を用いてグローブ本体のフォルムを守ります。
04 クッション素材
ハンドルから伝わってくるバイブレーションをソフトなクッション材で吸収することによって疲労を軽減。さらに耐衝撃性も確保します。
05 プロテクター
ハンドルグリップとグローブの間に起きる摩擦による摩耗を軽減し、グローブ本体を守ります。また別部位にはラバー製のパームプロテクターも備わっています。
以上、まさに“十二単(じゅうにひとえ)”なアクシス2の12枚重ね着、その仕組みを説明させていただきました!
グローブの中身がこんなにハイテクかつ複雑なことになっていたなんて、ご存じでしたか? 徹底的に工夫された内部構造を知ると、なんだかキモチまであったかくなってくるのは不思議ですね。
真冬の防寒対策をより高いレベルへ押し上げたいときは、グローブ内部の構造を知った上でマイベストグローブをチョイスしましょう。そのことがより間違いのない、愛着の湧くグローブ選びへとつながっていくからです!
次回、のテーマは「自分の手にジャストな“グローブサイズ”を確かめよう」です。
なかなかひと筋縄ではいかないバイク用グローブの「ジャストサイズ」について、プロのアドバイスからサイジングの極意を学びましょう。
=今回使用したグローブはこちら=